人間を含むすべての生きものにとってもっとも大切なことは、「いのちをつなぐこと」
いろいろな悩みを抱えながらも、楽しいことや嬉しいことをたくさん経験できるのは生きているからこそであり、代々のご先祖様たちが脈々といのちをつないでくれたから、私たちは今こうやって自分の人生を楽しむことができます。
残念ながら僕たちは子どもを授かることができませんでしたが、だからこそ特定の子ども(自分の子ども)だけではなく、たくさんの子どもたちを育む(=いのちをつなぐ)お手伝いをしなければならないと思っています。
僕たちはピクニックの森で、未来を担う子どもたちはもちろん、若者や高齢者を含め、地域の人たちを育み、地域の人たちが今より少しでも豊かな人生を手に入れるためのお手伝いをしていきたいと考えています。
森には人間を育む力が溢れています。
季節ごとだけではなく、一日の中でも瞬間瞬間に表情豊かな景色や匂いや音を通じて私たちの五感を刺激し、感性を磨いてくれます。
森の中にはたくさんの生きものが共生し、いのちをつないでいます。
学校や会社では出会えない「師」がたくさん存在し、都市生活では経験できない「体験」に溢れています。
僕は子どもの頃、放課後や休みの日に野原や川や森の中で過ごすことが大好きでした。
友達と秘密基地をつくったり、いろんな生きものを見つけたり、日が暮れて疲れ果てるまで遊んでいました。
きれいなもの、怖いもの、尊いものはいつも自然の中で見つけました。
自然を師として、時には痛い目に会いながら、これ以上は危険、これ以上はやってはいけないといったことを学び、子どもなりに判断力や責任感を習得し、こころもからだも成長できました。
そんな経験を子どもたちだけではなく、この美しい自然環境で暮らす人たちと共有したいです。
那須高原には森がたくさん存在しますが、長く人の手が入らないためにうっそうとして陽の光が地面まで届かず、土がやせ細り、木が育ちづらくなった不健康な森が目につきます。
専門家の力を借りながら、『ピクニックの森』を皆さんとともに美しく健やかな森として育む活動を続け、森の魅力や素晴らしさを一人でも多くの方と共有したいです。
そして、その活動を次世代に受け継ぎ、美しく豊かな森を那須に少しずつ増やすことを目指します。
そんな美しい森を拠点として、「学び、働き、遊び、育み、住む」ことができる森の中のコミュニティをつくり、この地域に暮らすことの喜びを感じ、誇りに思える場所にしたいです。
そのような活動を続けることが結果として人を育み、地域を育み、「いのちをつなぐこと」につながると信じています。