冬支度

今秋一番の冷え込みの朝

 

最低気温が10℃を下回り、那須の山は、紅葉が一気に進んできました

 

那須高原の一年の中で最も心地よいといわれる秋が終わりに近づくと、友人たちは皆とても残念がるのですが、僕は一人でうきうきしてきます♪

 

那須高原はどの季節もそれぞれ魅力的ですが、僕は冬が一番好きです

 

その理由は・・・薪ストーブの季節だから♪

 

そもそも僕が那須高原に移住したのは、薪ストーブがある家に住みたかったからなんです

 

僕は20代の頃から、薪ストーブの炎を眺めながらお酒を飲んだり、薪のはぜる音を聞きながらゆっくり音楽や読書を愉しむ時間を想像してワクワクしていました

 

現実となった今は、そんな冬の時間が僕にとって至福のひとときです

 

だから、朝晩の冷え込みが感じられるようになると、早く薪ストーブに火を入れたくてソワソワしてきます

 

でも、那須の長く厳しい冬を乗り切るためには、燃料となる薪をたくさん用意しなければなりません

 

木を入手し、チェーンソーで玉切りにして斧で割ったあともすぐに燃やせるわけではなく、一年以上乾燥させる必要があります

 

いっぺんに一年分の薪を用意することはできないので、少しずつ薪を割り続け、薪ストーブの季節が始まっても来シーズンのために補充し続けます

 

スイッチ一つで簡単に部屋を暖めることができる時代に、なんて面倒なことをしているのだろう・・と思う方もいるかもしれません

 

でも、僕にとって薪ストーブは単なる暖房器具ではなく、人生に潤いと癒やしを与えてくれるかけがえのない生活道具なんです

 

薪割りはとてもしんどい作業ですが、自分で割った薪が薪棚にびっしり詰まった光景を見ると大きな達成感を味わえますし、自ら汗を流して黙々と冬支度に励むこのプロセスを経ることで、心から薪ストーブを楽しめる気がしています

 

今はどこに住んでいてもお金さえあればなんでも手に入る時代ですが、自分でつくれるものは時間と手間を掛けて自分でつくった方が楽しいということを那須の暮らしで知ることができました

 

震災の時、東京に毎日新幹線通勤していた僕は、電車が止まり、スーパーやコンビニから物が無くなり、計画停電のためにろうそうくの薄明かりの中で過ごす経験を通じて、電気が止まるだけで都会の暮らしはどんなに不便になるか思い知らされました

 

電気が止まっても薪ストーブ一つあれば暖がとれるだけではなく、照明にもなるし、調理もできます。那須には生産者の方々が周りにたくさんいるので、農作物をはじめ、食材は直売所で不自由なく手に入れることができました

 

いろんなしがらみにがんじがらめになりながら、過剰な便利さを享受している都会の暮らしでは、何か問題が起きた時に自分だけでは対処できず、逆にとても不便さを感じることがありましたが、自分の手の届く範囲で、自然やつながりのある方々への感謝の気持ちを持ちながら自ら汗を流し、良くも悪くも自分で責任を負える暮らし方は、とても清々しい生き方だと思うのです