”分”と役割分担


那須には多才な人がたくさんいます。


しかも、本職でもないのにその道のプロのような技術や才能を持っている人が少なくありません。


そんな人を見るたびに、僕は人の役に立ったり、自慢できるような技術や才能を何一つ持ってないな…って思い知らされます。


でも、ピクニックの森の構想をブログで公表し、いろんな場所でお話しするようになってから、僕が必要とするものを持っている方や、僕が欲する技術や経験を持っている方が次々に僕の目の前に現れ、構想に興味を示してくれて、手を貸してくれます。


これまでも、「お店を出したい」と思えば自分のお店を改築してまで僕がお店を始めるスペースを用意してくれる方が現れ、「森を手に入れたい」と思えば森を分けてくれる方に出会い、「森を切り拓きたい」と思えば日本では数少ない特殊伐採の技術と森への深い愛情を持った方が手を差し伸べてくれたり‥


まるで僕には見えないジーニーが存在していて、僕が考えていることを察して、魔法を使って次々に引き合わせてくれているようです。


若い頃は他人の才能をうらやみ、真似をしていろんなものに手を出しては途中で挫折したり、背伸びをして分不相応なものを手に入れようとして痛い目に会ったり、後悔することもありましたが、恥ずかしながら50歳を過ぎてようやく自分の”分”が理解できるようになり、分相応な役割に徹する喜びを感じられるようになりました。


描くこと、必要な仲間を集めること、その仲間たちが個性と能力を思う存分に発揮できる環境を作ること‥僕が作りたいコミュニティとやりたいことの中身は多才な仲間たちにお任せし、僕は魅力的な仲間を惹きつけられる器になれるよう、そして、それぞれの才能が全体として美しいハーモニーを奏でられるよう、もっと自分を高めたいと強く思います。


僕たちは今、おそうざいやお弁当を作っていますが、どんなに新鮮で魅力的な食材を手に入れても、それらをただ混ぜ合わせただけではおいしい料理にはなりません。


料理に必要な分だけの食材を選び、食材ごとの特性や魅力を理解して、上手に引き出すことが大切です。


器に収まらないほどたくさんの食材を手に入れても腐らせるだけです。


また、せっかくのおいしい料理も盛り付け次第で台無しになることもある一方、魅力的な器に上手に盛り付けると主役である料理を一層引き立てることができます。


料理の魅力を最大限に引き立てる器になり、上手な盛り付け方を習得し、才能溢れる魅力的な人たちに「自分もあの場所であの仲間たちに混ざって輝きたい!」と思ってもらえる場所を作りたい。


そして、そんな仲間たちがワクワクする人生を手に入れるすお手伝いをしたい。


「生涯をかけてチャレンジしたいと思える夢を見つけること」と、「自分の”分”を知ること」は、僕にとって人生最大の課題でしたが、その二つの手がかりを見つけられたことがとても幸せでワクワクします。